最近、SNSなどで話題になっている、「緊急事態条項」。色々な議論がされていますが、そもそも何故、今話題になっているのか調べてみました。
SNSで盛り上がっているのはなぜ?
1.SNS上で憲法審査会や国会議員の「条文作成が目前」などの投稿が拡散
SNS上で、立憲民主党の参院議員が、自身のSNS(X)で「内乱・テロやそれに匹敵する事態で発動できる条文作成が目前」と発信し、緊急事態条項に関して言及したことで炎上。SNSで大きく広まりました。
2.海外(韓国)の戒厳命令発動事例との関連付け
一部世論調査報道では、韓国大統領の戒厳令類似措置が注目され、「日本でも国会やメディアの活動が制限されかねない」と懸念が喚起され、「緊急事態条項=自由制限」のイメージがSNS上で拡散。
みんな(世論)の反応
・政府に権限集中される。緊急事態宣言時、内閣に政令の制定権が集中し、法の立法と行政の機能が 内閣に集約させる危険性。
・「フェイクニュース対策」などの名目で、政府に都合の悪い意見や情報が制限されかねないという懸念
・災害対策は既存法(災害対策基本法など)でも対応可能とし、新しい条項の設置は不要・危険との指摘
・選挙ドットコム調査では、「どちらでもない」が4割。 明確な反対(設ける必要なし)も多数でした。 自民支持層でも「必要ない」と答える人が、第一勢力という結果。
現状、わかっていること
・具体的な法案提出等は未確認 議員の投稿内容は事実として存在しているが、実際に条文案が国会で提出されたという公的な情報は確認できていません。
・制度自体は以前から議論検討対象 2012年に自民党憲法改正案で「緊急辞退条項」が示されており、それを巡る議論はコロナ禍以降、活発化していました。
まとめ
・SNS上では「政府の権限強化」「検閲の恐れ」など、多様な懸念が瞬時に共有・拡散されている
・法案や条文案の具体的内容はまだ公に提示されておらず、不透明さが不安を助長
・国会内では過去の草案の延長上で議論はあるものの、現時点では条項の立法プロセスは進んでいない
そもそも、「緊急事態条項」って?
もしものとき……。
私たちは、地震や台風、感染症など大変な事が起きた時、「もしも」のために備えたり、家族と話したりしますよね。
実は、日本の憲法にはそんな「もしも」の時に備えるための特別な仕組みがまだありません。そのために今、政治の世界で話し合われているのが「緊急事態条項」です。
「緊急事態条項」ざっくり言うと、
【すごーいピンチの時に、政府がみんなの命や安全を守るために、一時的に特別な力を使えるようにしよう】
日本は、国会(国会)・内閣(政府)・裁判所(司法)の3つの機能が、お互いに意見を出し合い、間違いがないかチェックしています。(三権分立)そして、私たちの自由や権利は、憲法によってしっかり守られています。
もし、大きな災害で国会が動かせなくなったり、外国から急に攻撃されて、すぐに政府が指示を出せない「一刻を争う緊急事態」が起きたら….。
例えば、エレベーターは指定された階数に人や物を運ぶ際、速度が定格速度の1.2~1.4倍になると調速機が作動して、減速停止されます。もし、調速機がないと定格速度を超えても1階って指示されたからそのまま下がりまーす。なんてされたら、間違いなく止まれず事故になります。 緊急事態条項もこれと同じです。非常事態に政府が法律に縛られすぎて動けなくなってしまうと、国全体が大変なことになってしまいます。そのために、一時的に憲法のルールを一時的にストップさせて政府が素早く対応できるようにすることです。 臨機応変って感じですかね。
どんな時に、何ができるの?
緊急事態条項が発動されると、例えば次のような事が考えられます。
- 政府が緊急の命令を出せる 例えば、大災害で道路が寸断された時、普通なら持ち主の許可が必要な車を政府の命令で動かせるようになる。
- 国民の権利が一時的に制限される可能性 感染症が広がって、外出を制限したり、お店の営業を一時的に停止する。これは、コロナの時に経験しましたよね。当時は、「緊急事態宣言」って言ってましたね。
- 国会によるチェックは必要 政府が特別な事をした後は必ず国会に報告し、承認を得たりする仕組みは考えられていて、政府が勝手な事をしすぎないようにするための大切なルール。
なぜ「緊急事態条項」が必要だと言われているの?
必要だと考える人たちは、次のような理由を挙げています。
- 素早い対応で命を守る 大規模な災害や、外国からの攻撃など、国の存亡に関わるような事態が起きた時に、今の法律だけでは間に合わない場合がある。
- 世界の国々も持っている ドイツやフランス、韓国など、世界の多くの国は同じような緊急事態のルールが憲法の中にある。
でも、心配なこともあるよね?
「あれ?これって、政府が好き勝手できるとも考えられるよね?」これも大切な視点です。
- 「政府の力が強くなりすぎて、独裁に繋がるのでは?」
・政府が国会のチェックなしに強い権限を持つ期間ができると国民の自由や権利が 不当に制限されない?
・政府が「大変だ!」と嘘をついて、国民の自由を奪ったり、自分達の都合のいい政策を進めない?
・現状、「災害対策基本法」など、緊急時に対応するための法律はあります。本当にそれだけでは対応できないほどの大規模な事態は起こるの?
などなど、「国民の命と安全を守る」という目的と、「政府の権力が暴走しないようにしっかり歯止めをかける」のバランスが必要ですよね。
国民からしたら、大事だけど悪用しないでよー。って事ですね。

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